「春」第45回鎌倉彫創作展結果発表
【 審 査 員 】
松島 さくら子 (宇都宮大学 教授)
馬場 泰道 (伝統工芸青山スクエア 館長)
林 保美 (神奈川県工芸技術所 主任専門員)
創 作 大 賞 対象なし
神奈川県知事賞 「薊文長方皿」 小園 博 作
(審査講評)
深く大胆に手刳りされた作品で、質実剛健な強さを醸しだしながらも丁寧な彫り、美しい塗が重なり合ってとても優美な作品に仕上がっています。従来からのモチーフかもしれませんが、アザミの花の紅、葉を彩る乾漆粉仕上げの美しさ、ともに素晴らしい出来栄えで、盛り付けた時のイメージも膨らむとても魅力的な一品だと称賛されました。
(作者コメント)
手刳りで器を作り、あざみ文を直線の多い図案にして彫り、
色絵の手法で乾漆粉で仕上げた。
鎌倉市長賞 「銅張盆 柘榴文」 佐々木 幸夫 作
(審査講評)
彫の技術の高さ、漆の奥深い美しさが見事に重なり、とても上品で魅力的な作品です。比類ない技の確かさを表すかのように、どの角度から見ても多彩な表情を見せる素晴らしい一品に仕上がっています。
(作者コメント)
利用者の好きな様に
柘榴の実の色を表現したくて彫りました。
課題部門優秀賞 「浮 桜」 市川 徳助 作
(審査講評)
テーマが「春」で「桜」がモチーフということで、とても分かり易く象徴的で訴求力もとても強く感じました。彫も深く輪郭もはっきりしていてとても丁寧な仕上がりでした。桜が優雅に流れる構図も美しく、ときの流れる様も伝わるほどの出来栄えだと評価されました。
(作者コメント)
冷たい季節に芽を育て、春になって短い花の生命を精一杯に見せてくれる桜。
満開の桜花をイメージしながら 根気良く彫り、
王冠朱でひくち塗りにしました。
鎌倉商工会議所会頭賞 「花器 太陽の塔」 乾 方宣 作
(作者コメント)
シンメトリーの幾何学的なフォルムと震えるような流し刀痕のゆらぎにより、
静謐な宇宙空間を表現しました。
大振りな花(=太陽)を活けると一転して華やかな世界が広がります。
鎌倉市観光協会会長賞 「葉 皿」 横瀬 孝子 作
(作者コメント)
ケーキでも サラダでも チラシ寿司でも
皆で楽しむ器を作りました。
大 樹 賞 「髪 飾」 畠山 純一 作
(作者コメント)
春風に吹かれて
大 樹 賞 「壁掛時計」 荒井 敦子 作
(作者コメント)
部屋の一角の「七福神の宝船」に鯛や亀も加わり、
めでたく、賑やかな様を表現しました。
漆 賞 「変型桃皿セット」 長谷川 三夫 作
(作者コメント)
七寸、八寸、九寸の桃皿の両端をカットして、
それに合わせた流し刀痕えおつけることでデザイン。
使い勝手の良さを強調しました。
中塗りの朱と黒の斑(山)を出すことでさらに変化をつけました。
漆 賞 「飾 皿」 奴田 不二夫 作
(作者コメント)
古典の椿図柄を現代風にアレンジしたデザインで、
陰影を強調した彫刻をし、錫粉蒔きで仕上げた。
飾皿ではあるが、実用使用できる大皿として製作してみた。
※アンケートにお答えいただいた方に御礼品を進呈いたしました
ご協力ありがとうございました
___【 過去の入賞作品 】___