第46回鎌倉彫創作展 入賞作品


【 審 査 員 】

奥窪 聖美 (漆芸家)

桝渕 規彰 (鎌倉市教育委員会文化財部長)

大矢 英里 (伝統工芸青山スクエア)  

( 総 評 )

「用」を考えた形体が多く 意外とオーソドックな出品であった しかし

その分鎌倉彫の技術がよく見えた 夫々が作ってみたいという気持ちが現れていた

創作としては形の創意もみてみたいと思う 

(奥窪) 

斬新な発想による作品も数多く認められるが やはり シンプルさの中に 

伝統を映した美しさを感じさせる作品に高評価が集まった

(桝渕) 

斬新な発想と伝統的な総柄の鎌倉彫らしさ どの作品にも作者お一人お一人の

想いが伝わる作品ばかりで 受賞作品を決定する難しさがありました

(大矢)


  創作大賞  「柘榴文盛皿」 青山 常昭 作   

(審査講評・奥窪)

不定形な長方形の大盤は偶然の変形にみせながら 実は両端のザクロの

配置バランスと共によく計算されたデザインである

それに対し身込みに入れた彫込みは運刀の幅の不揃さが

上手く対比されて その対照性が力強さを生み うごきを感じさせる 

(作者コメント)

バイキングなど 多人数が集う場所で使用する

大型の盛器との思いで製作


  神奈川県知事賞  「手彫り盛器 蔦文」 森本 勒弥  作   

(審査講評・桝渕)

全体のボリューム感と彫の枝葉の力強さ 赤茶と緑・黒の漆使いの

バランスに圧倒される

(作者コメント)

存在感のさる 美しい器


鎌倉市長賞   「滑 板」  後藤 信治  作

(審査講評・大矢)

スケートボードという発想の楽しさに加え 車輪まで作り上げているところ

文様の美しさもあり 飾りとしてもよいと思いました

(作者コメント)

東京オリンピックではスケートボードが正式種目に選ばれたこともあり

鎌倉彫の板を製作したいと思いました


課題部門優秀賞 「手刳ティーブレイクセット」  志知 勢次  作

(審査講評・奥窪)

皿とマグカップそれぞれ使ってみたい気分にさせる

つや消しに仕上げた表面に面取り(そぎ面)をつけたこで

見る位置で印象が変わる面白さがある

(作者コメント)

楽しいティーブレイクを


鎌倉商工会議所会頭賞  「花唐草文結界」  木内 史子  作

(作者コメント)

茶道具としての結界だけではなく 日常生活の中でインテリアとして

空間に変化を付けるものを制作した


鎌倉市観光協会会長賞  「(小・大)皿」  嶋尾 匡泰  作

(作者コメント)

取り皿として使う事を想像し シンプルに彫刻刀で削り

鎌倉彫の代表的な漆塗り技法で作りました


大 樹 賞 「一段丸重箱」 荒井 敦子 作

(作者コメント)

1段の小じんまりしたお重 円型で蓋が取り皿にはやがわり 

少人数のお客様 そして女正月にも楽しく使える事をイメージして創作しました

中のカップが外せるので 鉢として混ぜご飯を入れても多様に使えます


漆 賞 「花弁六角盛皿」 小園 敏樹 作

(作者コメント)

桂の厚材を手ぐり加工 花びらでつつんでくれる盛り皿です

手仕事感を楽しんでいただきたい


漆 賞 「瓜型椀」 矢沢 光広 作

(作者コメント)

吸い物 その他が おいしく感じられるような椀



鎌倉彫工芸館